【File No.3】衛星中継

衛星中継

 

その頃、Bison工房では、

ロンがのん気にテレビでメジャーの試合を観戦していた。

 

「このジョウジマってバッター、なかなかやるな。

あの低めのとんでもないクソボールをスタンドに叩き込みやがったぜ

こいつ、おっさんと同じ、ジャパニーズだろ?」

 

「そうだな。俺の故郷の球団出身さ」

 

「おっさんにも故郷があったのか」

 

「ところで、ロン、今日はお前は行かなくて良かったのか?」

 

「はぁ? ああ、Destinyの護送ね。

マックスとキャサリンが護衛に付いてりゃ

俺様の出番なんざありゃしね~よ」

 

「まぁ、そうだな」

 

その時、ロンが見ていた野球中継がいきなり臨時ニュースに切り替わった。

 

「ちょ! 待てよ、今良いとこなんだって!」

 

不機嫌そうにテレビに向かってぼやき出すロンの目が点になった。

 

「ニューヨークに武装テロ出現って? あいつらが何でテレビに映ってるんだ?」

 

ロンのその声に、私もテレビの前に駆けつけ、二人は思わず声を揃えて叫んだ。

 

「美味しすぎる!」

 

どうやらこの二人は事の成り行きを全く理解出来ていないのか・・・はたまた、

そんな事態などJusticeにとってはへでもないというのか・・・

どちらにしても事の重大性はテレビのキャスターの緊迫した声と、

飛び込んでくる物々しい映像とが、嫌が上にも世間の目を引き付けていた。

現地キャスターは、張り詰めた声でマイクに向かって叫んでいる。

 

「武装集団は、一般車両に発砲し国連本部に向かっている模様です!

自爆テロとの情報も入ってきております!

只今、ブロード・ウェイ一体はFBIとニューヨーク市警の手によって

完全に通行規制がひかれています!」

 

上空ヘリから捉えたライブ映像がテレビで放映され、

仕組まれた捏造報道が始まった。

 

Justiceのメンバーはテロ犯にしたてられ、

ワイマール博士も含めての、

公開処刑がある機関によって今行われようとしていた。

 

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※ このストーリーは個人の趣味レベルで創作を楽しんでおります。

ストーリーはフィクションであり

実在する国家・団体・企業・HP・個人等とは一切関係ありません。