【File No.5】Wild-Dancer バックステップ

Wild-Dancer バックステップ

 

「10km後方より2発のミサイル発射確認!」

 

「そう来るわけね。いやらしい奴だわ」

 

ヴァイロンの前方に、ディーラーに車を積み降ろし途中で

非難した二段車両運搬トレーラーが止まっているのをキャサリンは見逃さなかった。

 

 

そのトレーラーの荷橋に向かって一気に加速する。

 

再び4基のターボ・タービンが吠える!

 

荷橋をジャンプ台にしてトレーラーを飛び越え

空中にヴァイロンが舞った。

 

その瞬間

グリップから開放された4輪のタイヤを

フル・ブレーキングで完全にロックさせ

ギヤをバックに叩き込み

アクセルペダルを全開にして踏ん張る。

 

4輪駆動のタイヤは空中で1000馬力の逆回転トルクに転じた。

 

勢い良く前方に突っ込むGと

1000馬力の逆回転トルクとが

着地の瞬間、激突し

タイヤが悲鳴を連呼する。

 

ヴァイロンは数m前方に突っ込んで

白煙を巻き上げながら

急激なバック加速に転じる。

 

空中まで意気揚々と追撃してきたスパロー・ミサイルは

そのヴァイロンの過激な運動転換に

付いてこれる程の賢さも運動性も持ち合わせて無く

悲しいかな間の抜けた面で

ただ直進していくしか芸がなかった。

 

そんなスパロー・ミサイルが

遥か前方のビルに直撃して自爆したのは言うまでも無い。

 

ヴァイロンは弾丸加速でアドバン達の車両編隊から飛び出して来た訳だが、

後方からは機関砲を装備したアパッチヘリが

既に最後尾のハマーの車に攻撃を加えようと迫りつつあった。

 

隊列の遥か前方に位置するキャサリンは

そのままバックで加速しながら隊列に向かってくる。

 

バックで戻ってくるヴァイロンに合わせるように

マックスがモントークをスピンターンさせ、

ヴァイロンとモントークとが横に並んで一緒に、

さらに後方に位置するアドバンのマイバッハめがけて突っ込んでいく。

 

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※ このストーリーは個人の趣味レベルで創作を楽しんでおります。

ストーリーはフィクションであり

実在する国家・団体・企業・HP・個人等とは一切関係ありません。